家の中で小さい蛾が飛んでいるのを見つけた時、目の前のその一匹を叩き潰したり、殺虫スプレーで退治したりしても、それは根本的な解決にはなりません。なぜなら、その蛾は、家の中のどこかにある「発生源」から生まれた、氷山の一角に過ぎないからです。小さい蛾との戦いに終止符を打つためには、彼らがどこで生まれ、育っているのか、その繁殖工場である発生源を特定し、根絶やしにすることが、何よりも不可欠です。まず、蛾の種類を見極めることが、発生源を絞り込むための重要な手がかりとなります。もし、その蛾が、茶色と白のツートンカラーをした「ノシメマダラメイガ」であれば、発生源はほぼ間違いなく、キッチンやパントリーに保管されている「食品」です。すぐに、米びつ、小麦粉やパスタ、乾麺、開封済みのお菓子、シリアル、ペットフードなど、すべての乾燥食品を徹底的にチェックしてください。袋に小さな穴が開いていないか、中身が糸を引いて固まっていないか、幼虫や糞が落ちていないか。少しでも怪しいものは、残念ですが、被害の拡大を防ぐために、袋ごと密閉して処分する必要があります。一方、もし蛾が、淡い褐色で地味な「イガ」や「コイガ」であった場合は、戦場は「クローゼット」や「タンス」の中です。特に、ウールやカシミヤ、シルクといった、動物性繊維でできた衣類が、彼らのターゲットです。長期間着ていないセーターやコート、あるいは着物の収納などを、一つひとつ念入りに点検しましょう。衣類に小さな穴が開いていないか、ミノムシのような幼虫の巣が付着していないかを確認します。被害にあった衣類を見つけたら、それだけでなく、同じ場所に保管されていたすべての衣類を、洗濯またはクリーニングに出す必要があります。発生源を特定し、汚染された食品や衣類を処分すること。それは、いわば、敵の兵糧庫と兵舎を同時に破壊する、最も効果的な殲滅作戦なのです。この最初のステップを怠れば、いくら後から対策をしても、戦いは永遠に終わりません。
小さい蛾の駆除は発生源の特定から