お米を害虫から守るための最も基本的で、そして最も効果的な対策は、彼らが活動できない環境で「正しく保存する」ことに尽きます。多くの家庭でやりがちな、買ってきたお米の袋の口を輪ゴムで縛っただけで、シンク下や棚に常温で置いておくという保存方法は、虫たちに「どうぞ、ここで繁殖してください」と、最高の環境を提供しているようなものです。お米の美味しさと安全を守るための、正しい保存方法の三原則を学びましょう。第一の原則は、「密閉」です。お米を購入したら、すぐに袋から出し、パッキン付きの密閉性の高い容器に移し替えましょう。プラスチック製の米びつや、ガラス製の保存瓶、あるいはジップロックのような密閉袋でも構いません。これにより、外部からの虫の侵入を物理的に防ぎ、お米の酸化や乾燥も遅らせることができます。第二の原則は、「低温」です。お米の害虫は、気温が15度以下になると活動が著しく鈍化し、繁殖することができなくなります。つまり、お米を冷蔵庫で保存することが、虫対策としては最強の手段となるのです。特に、野菜室は温度と湿度が米の保存に適しており、理想的な場所と言えます。2リットルのペットボトルや、専用の保存袋などに入れて冷蔵庫で保管すれば、虫の発生をほぼ100%防ぐことができます。冷蔵庫にスペースがない場合でも、家の中で最も涼しく、風通しの良い場所を選ぶことが重要です。そして第三の原則が、「清掃」です。新しいお米を容器に入れる前には、必ず容器の内部をきれいに洗浄し、完全に乾燥させてください。容器の隅に残った古い米ぬかや、見えない虫の卵が、新しいお米に被害を広げる原因となります。また、米びつの周りにこぼれた米粒なども、虫を誘引する原因となるため、こまめに掃除しましょう。この「密閉して、冷やして、清潔に保つ」。たった三つのシンプルなルールを守るだけで、あなたのお米の安全性は劇的に向上し、いつでも安心して美味しいご飯を楽しむことができるようになるのです。
最強の虫対策は冷蔵庫!お米の正しい保存方法