蚊に刺された覚えはないのに、朝起きると、お腹や太ももの内側、二の腕といった、肌の柔らかい部分に、赤いブツブツができていて、しつこいかゆみが続く。このような場合、その犯人は、あなたの寝具に潜む「ダニ」かもしれません。ほとんどのダニ刺されは、赤い発疹とかゆみが主ですが、アレルギー反応が強く出た場合や、特定の種類のダニに刺された場合には、水ぶくれを伴うこともあります。家の中で人を刺す可能性のあるダニとして、まず考えられるのが「ツメダニ」です。彼らは、布団やカーペットに大量発生したチリダニなどを捕食しており、その過程で間違って人間を咬んでしまうことがあります。刺されると、翌日以降に、赤く腫れたかゆみの強い発疹が現れます。この時、アレルギー反応が強く出ると、発疹の中心に小さな水ぶくれ(小水疱)ができることがあります。もう一つ、より警戒すべきなのが、「イエダニ」です。こちらは主にネズミに寄生する吸血性のダニですが、もし家にネズミが棲みついている場合、その巣から移動してきたイエダニが、寝ている間に人間を吸血することがあります。イエダニの被害は、ツメダニよりも症状が強く、かゆみも激しいため、しばしば水ぶくれを形成することがあります。同じ場所を繰り返し刺されることが多く、発疹が二つずつペアになっていることも特徴的です。ブユや毛虫のような、一度の被害で大きな水ぶくれができるというよりは、小さな水ぶくれを伴う発疹が、広範囲に、あるいは特定の場所に集中して現れるのが、ダニによる被害の特徴と言えるでしょう。もし、毎朝のように新たな虫刺されが増えている、寝室で過ごした後に症状が悪化するといった傾向があれば、ダニの被害を強く疑い、寝具の徹底的な清掃や、大元であるネズミの駆除といった、根本的な対策が必要となります。